東大入っても品性は養われなかったイキリオタクの懺悔

捉えどころのない生の苦しみの中を、ユーモアと哲学で颯爽と駆け抜けていきたい。一介の冴えない大学生。

決意表明

 

子供の頃よく遊んだ 公園のぶらんこ

父親に押してもらった ぶらんこ

妹と二人で乗った ぶらんこ

立ち漕ぎで足を滑らせた ぶらんこ

靴飛ばしの発射台にした ぶらんこ

 

風雨にさらされ

錆びついたぶらんこ

大人になって

久しぶりに乗ってみる

夜風が冷たいある日のこと

絶望的な気持ちを晴らすため

昔乗ったぶらんこと言うべきか

すっかり身体に

染み付いた動きで

労せず上昇していった

人生とは違って

たやすく上り続ける

童心を思い出した 

私は嬉しくなり

歌を歌いながら

漕ぎ続けた

 

自分の背丈を超えたところで

恐怖という感情を知る

ジェットコースター

のようなスリルと

立ち止まれない怖さ

現在地に留まれない怖さ

ぶらんこは漕ぎ続ける限り 

上昇をやめない

けれど漕ぐ足を緩めてしまえば

下っていく一方

まるで人生ではないかと

胸がざわつく

 

 

安定など幻想

ちょうどいい高さで 

ヘラヘラ笑っていたいのに

休む間も無く選択を迫られる

上がれば上がるほど

手を滑らせないかという緊張感

生きづらくなるだけで

ゴールなんてあるわけじゃない

 

 

悟った私は戸惑った

もはやぶらんこに 

乗ってる意味なんてない

早い段階で

飛び降りようと思った

その時彼女が耳元で囁いた

振り切ってしまえ

 

私には真意がわからなかった

わからないなりに 

振り切れるほどに

漕ぎ続ける決意をした

いつの日かどこか遠くへ

呪縛から解放されるまでは

憂鬱な気持ちは姿を変え

あの頃父親が押してくれたような

推進力になった

 

 

P.S. しばらくして、公園のぶらんこは撤去されたらしい